入試分析/解答速報
2024年02月01日
看護医療系専門進学塾の桜芽会です。
桜芽会では、各大学の看護系学科について、入試問題の解答解説を載せていきます。
今回は、2024年度 東京家政大学 統一地区 1日目(生物)の解答解説を載せます。
東京家政大学を志望している生徒は是非参考にしてください!
【講評】
例年通りの出題である。知識問題もあるが,実験・考察問題の比率も多い。また,普段参考書で見るような定番問題ではない出題が多い。基礎的な知識問題でしっかりと得点をとり,読みやすい実験考察問題で点数を取ることが重要である。
Ⅰ標準 ゲノムの定義や計算問題で差がでたであろう。
Ⅱ標準~難 見られないグラフであるため,細胞数に着目できたかが鍵である。
Ⅲ標準 図1の「細胞内への取り込み・消費」を読めたかどうかにかかっている。
Ⅳ標準 マダイの実験はグラフが読みとりやすかったので,しっかりと得点を取りたい。
Ⅴ標準 図1と図2を把握することができれば,得点をとれたであろう。
【解答】
Ⅰ
問1 ④ 問2 ④ 問3 ③ 問4 ア② イ① ウ③ 問5 ① 問6 ②
Ⅱ
問1 ⑤ 問2 ③ 問3 ① 問4 ⑤ 問5 ② 問6 ④ 問7 ② 問8 ③
Ⅲ
問1 ⑥ 問2 ③ 問3 ⑤ 問4 ② 問5 ③ 問6 ⑥ 問7 ⑤ 問8 ⑥
Ⅳ
問1 ア ④ イ ② 問2 ウ ③ エ ⑧ 問3 ① 問4 ⑤ 問6 ③
Ⅴ
問1 針葉樹林 ① 照葉樹林 ④ 熱帯多雨林 ⑥ 問2 ⑤ 問3 ⑥
問4 針葉樹林 ⑥ 熱帯多雨林 ② 問5 ⑤
※誤植やミスを発見した場合は「問い合わせ」よりご連絡ください。確認の上訂正いたします。
【解説】
Ⅰ遺伝情報とDNAに関する問題である。
問1
DNAの説明として正しいものを選択する問題である。
ア:DNAは,構成単位にデオキシリボースを含んでいるため,誤りである。
イ:DNAは,A(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4種類があるため正しい。
ウ:2個のリン酸は含まない。そのため,誤りである。
エオ:ヌクレオチド同士は,糖とリン酸の間の結合によるものである。そのため,エが不適切であり,オが正しいことがわかる。
問2
ゲノムについての面白い問題である。
選択肢にあるものは,生物名もしくはタンパク質である。生物名にゲノムをつけてその生物のゲノムということはできる。例えば,ヒトゲノムというのは聞いたことがあると思う。ただ,タンパク質にゲノムをつけることはできない。タンパク質にゲノムが存在しないからである。そのため,選択肢にあるカブトムシ,スギ,乳酸菌,イヌ,ゾウリムシ,ブロッコリーにゲノムをつけることができるが,タンパク質であるインスリン,ケラチン,アクチン,ヘモグロビンにはゲノムをつけることができない。
問3 遺伝子の説明として不適切なものを選ぶ問題である。
①②④⑤に関しては,全て適切である。
③細胞ごとに異なる遺伝情報は持たない。個体を構成する細胞は,同じ遺伝情報を保持している。生物基礎の範囲であれば,ガードンの実験などで説明されている。また,そこからiPS細胞についても理解が深まるので,しっかりと押さえておきたい。
問4
原核生物と真核生物を分ける問題である。また,単細胞生物と多細胞生物も分ける。
~菌は,基本的に原核生物である。例外で酵母菌は真核生物である。また,原核生物は,ネンジュモ・ユレモ・アナベナ・イシクラゲなどのシアノバクテリアもいる。
単細胞生物 | 多細胞生物 | |
原核細胞 | 大腸菌 | 該当する生物なし |
真核細胞 | 酵母 | ショウジョウバエ |
問5
遺伝子間の距離が最も大きい生物を選ぶ問題である。塩基対数に対しての遺伝子の数を比較して求めることができる。
問6
大腸菌の塩基対数である4.6×106の88%が遺伝子全体の塩基対数である。そこで,大腸菌の遺伝子数が4400なので,4.6×106×88/100×1/4400=920塩基対になる。
Ⅱ
問1
受精卵と造血幹細胞は体細胞分裂を行う。生物基礎の範囲ではないが,受精卵は,発生初期に体細胞分裂である卵割を行う。また,分化しきった細胞は,体細胞分裂をして増殖することができないため,神経細胞はしない。
問2
①②は共に前期についてのことが書かれている。
G1→S→G2→Mの順に進行するため,④⑤⑥は不適切である。
また,上記の進行順であることから,S期でDNAの複製が行われることを考慮すると③が正しいことがわかる。
問3
S期の状態は,核膜が観察され染色体は凝集していない間期に行われる。
問4
前期→中期→後期→終期の順である。
問5
チミンを用いた理由は,DNA特有の塩基のためだ。アデニンやチミンやシトシンでは,mRNAにも取り込まれてしまうため,チミンを用いる。
問6
◯である細胞数に注目する。横軸が15時間あたりから細胞数が増え始め,次に増え始めている50時間あたりまでが細胞周期にかかる時間であると判断できる。よって,35時間であると判断できる。
問7
凝集した染色体を観察しやすいのは,M期である。このグラフから,前期・中期・後期・終期については判断できないため,分裂期であるM期の時間を答えればよい。
問8
リード文に,「分裂のタイミングを同調させることができる」とあるので,分裂期にかかる時間を比べると,1回目の方が早く終わっている。また.取り込み速度や細胞数からも2回目のチミンの総量が多いと判断できる。
Ⅲ
問1
体液は,循環系によって運ばれている。また,負のフィードバックによって調節されている。
問2
血しょうの説明として正しいものである。血しょうは,血液の成分から,有形成分である血球などを取り除いた液体成分である。また,②に関しては,血清のことを指している。
問3
健康なヒトの空腹時の血糖値は,0.1%(100mg/100ml)である。
問4・5
図1の右上に「細胞内への取り込み・消費」というフレーズがある。グルコースを細胞内に取り込んだり,消費することで血糖値は低下していく。よって,図の上部は,高血糖な状態から血糖値を下げる模式図であり,下部は低血糖な状態から血糖値を上げる模式図である。
問6
高血糖な場合は副交感神経が働き,すい臓のランゲルハンス島B細胞からインスリンが分泌される。また,低血糖の場合は交感神経が働き,すい臓のランゲルハンス島A細胞からグルカゴンや副腎髄質からアドレナリンが分泌される。
問7・8
まず,セがグルコースであり,ソがインスリンであることがわかる。もし、逆だとすると境界型の説明ができなくなってしまう。
Ⅳ
問1
体内に侵入した異物の多くは,白血球による食作用によって排除される。このような免疫を自然免疫といい,自然免疫だけで排除できなかった異物に対して,異物の種類に応じて,特異的に作用する獲得免疫が働く。
問2
1回目の注射後に最大抗体濃度に達するまでに要する時間は,約15日後である。
2回目の注射後に同程度までに要する時間は,5日後である。よって,1/3である。
1回目の最大抗体濃度は,約10である。
2回目の最大抗体濃度は,約10000である。よって,数千倍である。
問3
ワクチンは,あらかじめ死滅させたウイルスや細菌,あるいは,病気を起こす力の弱い生きた病原体などを注射する。よって,生きている細菌の菌体を注射することはない。
問4
対照実験:ワクチン投与を行っていないマダイを飼育水槽中に細菌Xを加えた場合を行い比較する。
問5
① 3日後に最も高くならない。また,投与時期も異なるため判断もできない。
② グラフから,1週間後に最も効果が大きくなっていない。
③ ワクチンを投与して,死亡率は高まっていない。
④ 2週間前に投与したものが,生存率が高いため矛盾している。
問6
① ワクチンの効果は,2日後にもみられている。
② 回数が2回の方が,感染しにくいので矛盾している。
④ 「増えるほど」はこの実験から判断できない。また,2回で効果は低くなっていない。
⑤ 4日後が最もワクチンの効果は現れていない。
Ⅴ
問1
代表例を下記に示します。
針葉樹林:エゾマツ・トドマツ・シラビソ・コメツガ・トウヒ
照葉樹林:シイ・カシ・クスノキ・タブノキ・ツバキ
熱帯多雨林:フタバガキ・ヤシ・マングローブ
問2・3・4
図1と図2から判断することができる。
問5
図2から熱帯多雨林の落葉供給量は多いが,土壌中の有機物が少ないのは,分解者の働きがそれ以上に強いためである。
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