入試分析/解答速報
2024年02月04日
看護医療系専門進学塾の桜芽会です。
桜芽会では、各大学の看護系学科について、入試問題の解答解説を載せていきます。
今回は、2024年度 杏林大学 保健学部 1月29日(数学)の解答解説を載せます。
杏林大学を志望している生徒は是非参考にしてください!
【講評】
出題範囲は数Ⅰ、数Aのみ。全体を通して難易度や出題範囲、問題のスタンダードさ、計算量など、非常に良い試験問題である。
スタンダードな問題に関しても、ひねった応用問題ではなく、問題集に載っている応用問題がしっかりと定着していれば解けるような問題がほとんど。
計算量は多い。テスト時間を考えると、少し時間が足りないと感じた受験生が多いのではないだろうか。
しかし、これも、ちゃんと計算問題をやってきている受験生がしっかりと点数を取れる形になっている。
要するに、これまでちゃんと勉強に向き合ってきた受験生がしっかりと点数が取れるテストになっており、努力が反映されやすい試験問題と言える。
大問は3問構成で、大問1は小問集合。
そのほとんどが教科書傍用レベルの問題集に載っているような問題で、数多くの問題集に手を出した受験生よりも、じっくり1冊の問題集を仕上げた受験生の方が点数が取れたと思う。
ただ、全てが標準レベルの問題というわけではなく、推論や応用の問題も入っている。計算や場合わけが非常に面倒なので、ここで時間を使いすぎないように注意。
大問2は三角比と平面図形の問題。(1)~(4)はスタンダードな問題。計算ミスに注意してここまでは確実に得点しておきたい。
(5)は特に難問というわけではないが、(4)までが高校範囲の三角比の問題なので、その流れを引っ張り、難しく考えすぎた受験生が多かったと思う。
頭をフラットにして問題に向き合えば、これが中学範囲の問題であることが見抜けたはずだ。
(6)も中学範囲の問題で、解き方を知っていないと苦労する。これは合否が別れた問題だろう。
まず問題文で与えられている円がイメージできたかどうか。実は題意の円は無数にあるのだが、解答欄を見て空気を読む必要がある。
大問3は確率の問題。文章量が大問3を見た瞬間、少し「面倒くさいな・・・」と感じるかもしれない。
ただ、問題文をちゃんと読めば難易度自体はそこまで高い問題ではない。問題文を正確に読み取り、条件を整理するのがコツである。
【解答】
Ⅰ | 解答 | Ⅱ | 解答 | Ⅲ | 解答 |
---|---|---|---|---|---|
ア | 7 | ア | 3 | ア | 9 |
イ | 4 | イ | 5 | イ | 1 |
ウ | 2 | ウ | 1 | ウ | 0 |
エ | 6 | エ | 3 | エ | 3 |
オ | 7 | オ | 2 | オ | 5 |
カ | – | カ | 4 | カ | 0 |
キ | 2 | キ | 1 | キ | 9 |
ク | 3 | ク | 1 | ク | 5 |
ケ | – | ケ | 2 | ケ | 0 |
コ | 1 | コ | 5 | コ | 1 |
サ | 2 | サ | 5 | サ | 4 |
シ | 0 | シ | 2 | シ | – |
ス | 1 | ス | 2 | ス | 9 |
セ | 7 | セ | 4 | セ | 9 |
ソ | 2 | ソ | 9 | ソ | 1 |
タ | 3 | タ | 0 | ||
チ | 2 | チ | 2 | ||
ツ | 4 | ツ | 1 | ||
テ | 7 | テ | 1 | ||
ト | 2 | ト | 2 | ||
ナ | 7 | ナ | 2 | ||
ニ | 1 |
【解説】
簡単な解説をしていきます。詳しい解説を知りたい方は、ぜひ桜芽会をご利用ください。
Ⅰ
(1)
未知数を含む一次不等式の問題。中学で学んだ人もいるかもしれない。この問題はxについて不等式を解いたのち、数直線上で条件を満たすaの範囲を求める。
この問題のポイントは、aの範囲の端に等号が含まれるかどうかなのだが、マーク式の利点で不等号はすでに問題に記載されている。
数直線上でaを動かせば範囲が分かったはずだ。
(2)
前半はお決まりの判別式を用いてaの範囲を求める問題。実数解を持つので、D/4≧0を解けば良い。
後半は特定の範囲に解を持つ条件を求める問題。教科書傍用問題集で言うと、B問題に入っているか、「研究」などの単元に収録されている。
軸、判別式、f(k)の正負、の3点に注目する。
今回は軸の値が変数なので、軸の値であるx=aに注目し、0≧a,0<a<1,a≧1に分けて考える。
①0≧aの時は、D>0かつf(0)<0
②0<a<1の時は、D≧0かつf(0)≧0またはf(1)≧0→これを満たすaは存在しない
③a≧1の時は、D>0かつf(1)<0
(3)
数の性質の問題。648を素因数分解すると、648=23×34となる。
素因数分解をしても2と3しか出てこないので、a=2p×3qとなり、約数の個数が15個であることから、(p,q)=(2,4)or(4,2)となる。
一方bに関してもa=2r×3sと表すことができ、約数の個数が12個であること、また、648=23×34であることから、(r,s)=(2,3)or(3,2)となる。
この組み合わせのうち、題意を満たすものを求めれば良い。答えになるもの以外は最小公倍数が648にならない。
(4)
図形の面積比の問題。これも中学受験や高校受験では定番の問題であるが、本問では計算が非常に面倒くさい。
メネラウス、連比を用いて求める三角形周りの線分比を求め、△ABCから徐々に範囲を狭めて△PQRを求めていけば良い。
ただ、連比といっても今回の問題は比がもともと揃っているのでそこまでややこしくはない。詳しい解説は省略。
Ⅱ
(1)
三辺が明らかな三角形なので、やりたい放題。角ABCに関する余弦定理を用いて終了。
(2)
(1)が誘導になっている。cosの値からsinの値を公式によって求め、sinの三角形面積公式を用いて終了。
(3)
内接円の半径を求める最もスタンダードな解法。これも(2)で面積を求めたことが誘導になっている。
内接円の半径をr、AB,BC,CAをそれぞれ底辺と考え、△IAB +△IBC +△ICA=△ABCを用いて終了。
(4)
△ABDにおいて角ABCに関する余弦定理を用い、ADの長さを出す。ADの長さがわかってしまえば、今度は角DABに関する余弦定理を用いればcosDABの値が出る。
(5)
(4)までが高校範囲の問題だったので、ここで問題の性質が変わる。AE=xとして、「円外の一点から同一円に引いた2本の接線の長さは等しい」ことを用いる問題。
AE=xとすると、CE=25-x、CE=CDなので、CD=25-x・・・・を繰り返し、最終的に三角形の辺を一周する。
最後に方程式を作ってxの値を求める。
(5)
二つの円の位置関係に関する問題。これも解説に図が必要なので詳細は省くが、二つの円の中心を結び、共通接線にそれぞれの中心から垂線を下ろし、できた台形を長方形と直角三角形に分割する。
最終的に直角三角形の各辺の長さを、求める内接円の半径で表し、三平方の定理で方程式を作って解く。
Ⅲ
Ⅲについては、前半部分で全ての事象が明らかになってないというのがミソ。これに気づかなくても、後半部分で「特異度」が与えられて気付いた受験生もいるのではないだろうか。
全事象は以下の通り。
検査結果 | 陽性 | 陽性 | 陰性 | 陰性 |
感染有無 | 感染有 | 感染無 | 感染有 | 感染無 |
確率 | 3/5×1/10 | 1/5×9/10 | 2/5×1/10 | 4/5×1/10 |
(ⅰ)
病原菌Xに感染している人が10%なので、余事象を取って感染していない確率は90%である。
(ⅱ)
上記表をご参照
(ⅲ)
上記表をご参照
(ⅳ)
検査で陽性であるという事象をA、実際に感染しているという事象をBとすると、PA(B)を求める条件付き確率の問題である。
P(A)は表の2列目、3列目(陽性である2事象)の合計、P(AかつB)は2列目。
(2)
(1)と同様に表を作って解くと分かりやすい。
検査結果 | 陽性 | 陽性 | 陰性 | 陰性 |
感染有無 | 感染有 | 感染無 | 感染有 | 感染無 |
確率 | p1×1/10 | (1-p2)×9/10 | (1-p1)×1/10 | p2×1/10 |
(ⅰ)
上記表の2列目と3列目の確率を足せば良い。
(ⅱ)
先ほどと同じように条件付き確率を求め、p1,p2の値を代入すれば良い。
(ⅲ)
(ⅱ)で求めた条件付き確率の式に陽性反応的中度の値を代入して式変形すれば良い。
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