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【解答速報】慶應義塾大学 看護医療学部(生物)2024年度

入試分析/解答速報

2024年02月11日

看護医療系専門進学塾の桜芽会です。

桜芽会では、各大学の看護系学科について、入試問題の解答解説を載せていきます。

今回は、2024年度 慶應義塾大学(生物)の解答解説を載せます。

慶應義塾大学を志望している生徒は是非参考にしてください!

【講評】

例年通りの出題形式であった。去年度よりもやや易化したように思える。知識問題に関しても標準的な問題が多く,実験考察問題に関しても読みやすい問題であった。しっかりと時間をかければ十分に解答できたであろう。

〔Ⅰ〕標準:一遺伝子一酵素説の問題である。解きやすい問題であったが,問7に注意したい。問7は,枝分かれしているためWとTがないとNが作られないことに注意したい。

〔Ⅱ〕やや難:カエルの発生に関する問題とプラナリアによる実験問題と遺伝子の発現調節に関する問題である。遺伝子の発現調節に関して(実験1)と(実験2)の結果がわかるとすんなり解答に辿りつける問題であった。

〔Ⅲ〕:基本的な問題が多く出題されている。内容を整理しながら読むことができたら解答できていただろう。

【解答】

〔Ⅰ〕

問1 (イ)

問2 酵素ア:酵素B 酵素イ:酵素C 酵素ウ:酵素A

問3 スプライシング

問4 (ウ)(オ)

問5 前駆物質→物質F→物質K

問6 前駆物質→物質H→物質F→物質L→物質K

問7

 物質Q物質W物質G物質T物質V物質N
物質Q要求株①××××
物質Q要求株②××××
物質Q要求株③×××
物質Q要求株④×××××
物質Q要求株⑤××××

問8

ヒトの細胞:(カ)

大腸菌:(エ)(オ)(キ)

〔Ⅱ〕

問1 ア:表層回転 イ:背腹軸 

問2 左右軸・前後軸

問3 (1)ア:動物極 イ:植物極 (2) (ウ)

問4 (オ)

問5 (1) (ウ) (2) (エ) (3) (ウ)

問6

(1) (ア) (2) a (3) (ウ) (4) (イ)(エ) 

(5)タンパク質Qはタンパク質Pに結合して,タンパク質Pによる転写促進を阻害する。

(6) (イ)

〔Ⅲ〕

問1 (オ)

問2

(1) シナプス (2) (オ) (3) X:9  Y:23 

(4) (エ) (5)グリア細胞

問3 (あ):(ク)  (い):(キ) 

問4 (ア)

問5 (1) (あ)光屈性 (い)オーキシン 

(2)分子時計は,分子に蓄積される変化の速度の一定性であり,分岐年代の推定に利用されている。

問6 (1)(ア) (2)③乗換え (3)(エ) (4) (ウ)

【解説】

〔Ⅰ〕

問1 

グルコース以外は全て変異原である。

問2

酵素アは,オルニチンでは生育できないが,シトルリンとアルギニンの場合は生育できる。

よって,酵素Bであると判断できる。

酵素イは,アルギニンでないと生育できないことから,酵素Cであると判断できる。

酵素ウは,どれでも生育することができるので,酵素Aである。

問3

1つの遺伝子から複数のタンパク質とあるので,選択的スプライシングのことである。

問4

免疫グロブリン:抗体産生細胞により産生され,抗原と特異的に結合するタンパク質である。

カドヘリン:細胞どうしが結合する際にはたらく膜タンパク質で,Ca2を必要とする。

アミラーゼ:加水分解酵素である。アミロースをマルトースにする。

インスリン:血糖値を下げるホルモンである。

DNAポリメラーゼ:DNA合成酵素である。

問5

物質Kを入れたときに両方生育していることから,物質F→物質Kの順になる。

問6

生育できる物質数で順番を判断することができる。

物質Hを加えたときに,要求株②しか生育できないことから,スタート側に変異があったことがわかる。また,物質Kを加えたときは,全ての要求株で生育できてることから,ゴール側である。

問7

図5に着目したい。リード文にも書かれているが,物質Wと物質Tがないと物質Nが合成されないことを注意できれば完答できる問題である。また,前駆物質を加えず,物質を1つだけ加えたときが聞かれていることにも注意したい。

物質Qを添加した場合は,図5から全て生育できることがわかる。

物質Wを添加した場合は,図5から物質Tがないと物質Nが合成されないため,生育できない。

物質Gを添加した場合は,図5から要求株①に関しては物質Wになることができないし,そもそも物質Tがないため,物質Nになることができない。よって,生育できない。

物質Tを添加した場合は,図5から物質Wがないと物質Nが合成されないことから,生育できない。

物質Vを添加した場合は,要求株③だけは物質V自身が物質Gと物質Tになることができるため生育できる。それ以外は,物質Nを合成することができないため生育できない。

物質Nを添加した場合は,物質Nから物質Qを合成できない要求株④以外は生育することができる。

問8

ヒトの細胞は,選択肢の中で細胞壁以外は存在する。また,大腸菌のような原核生物の細胞には,DNAやリボソーム,細胞膜,細胞壁をもっていることは押さえておきたい。すると,リボソームはタンパク質の合成をしていることや転写翻訳の流れ(セントラルドグマ)からRNAをもつことも想像がつく。

〔Ⅱ〕

問1・2・3(1) 解説省略

問3(2) ディシェベルドタンパク質が移動して,背側のβカテニンの分解を抑制する。

問4 プラナリアは,扁形動物である。扁形動物は,コウガイビルも押さえておきたい。

問5

(1)後方の切断面でWが合成されるので,阻害性RNAにより,切片A全体でのWの濃度低くなり,両側に頭部ができる。

(2)前方の切断面でNが合成されるので,阻害性RNAにより,切片A全体でのWの濃度高くなり,両側に尾部ができる。

(3) 阻害性RNAにより,切片A全体でのWの濃度が低くなり,Nの生成に有無に関わらず,両側に頭部ができる。

問6

(1)Yとタンパク質Bが結合するBでレポーターの発光量があがっていることから判断できる。

(実験2)

レーン1はYしかないため短いため,aの位置にある。

レーン2はYのみのものがaの位置に,YとタンパクPが結合したものがbの位置である。

レーン3はYとタンパク質Qが結合できないため,aの位置にある。

レーン4はYのみのものがaの位置に,Yとタンパク質Pと抗体が結合したものがdの位置にある。

レーン5はYのみのものがaの位置に,Yとタンパク質Pとタンパク質Qが結合したものがcの位置である。

レーン6はタンパク質Qが抗体と結合したので,Yとタンパク質Pが結合したものがbの位置にある。

(2)

蛍光は発していないYを過剰に入れているので,aの位置に観察できる。

(3)(4)(6)

上記から解答が得られる。

(5)

解答参照

〔Ⅲ〕

問1

開始コドンであるAUGと終止コドンであるUAA,UGA,UAGの三つは押さえておきたい。

問2

(1)

神経細胞同士の接続部位のことを,シナプスという。また,間の隙間のことを,シナプス間隙という。

(2)全か無かの法則から,(オ)を解答することができる。

(3)図7に関して理解できれば解ける問題である。左側の数字を合計数が超えるか超えないかが大事である。また,計算ミスに注意したい。

【問題1】

3+4+2=9であり,10を超えていない。そのため,Xは4+5=9となる。

【問題2】

5+9=14より,15を超えていない。

3+7+4=14より,10を超えているため,8が次にいく。8が7を超えているため,12がYにいく。また,5+3=8なので11を超えていないので,最終的には12+11=23である。

(4)

空間的加重は,複数の興奮性シナプスから入力によるものである。

(5)

グリア細胞は,ニューロンを支持したり,ニューロンに栄養分を与える役割がある。

問3

(あ)ナトリウムイオンを細胞内に流入することで細胞内が正になり,脱分極する。

(い)レチナールが光によって,シスからトランスに変化する。

問4

(イ)神経細胞は,核がある。

(ウ)神経細胞にもミトコンドリアはあるので,酸素を利用する。

(エ)ヘモグロビンを分解する酵素は豊富にない。

問5

光の方向や強度に応じて変化する現象は,光屈性である。

また,光屈性は植物ホルモンであるオーキシンによって制御されている。

問6

(1)適応度の高いデータセットが得られる過程と書かれていることから,自然選択が選べる。

(2)③が乗換えである。

(3)1つの変異を探せばよい。

(4)片方にない数字のものから構成されているものを選択すればよい。

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