入試分析/解答速報
2025年02月03日

看護医療系専門進学塾の桜芽会です。
桜芽会では、各大学の看護系学部について、入試問題の解答解説を載せていきます。
今回は、順天堂大学医療看護学部 他 2025年度 (A日程) 生物の解答解説を載せます。
順天堂大学医療看護学部を志望している生徒は是非参考にしてください!
🌸桜芽会では毎年看護系大学/学部の入試解答速報を作っています🌸
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なるべく解答速報を作ります!
<追記>解答速報作成の依頼が多く、時間の関係上2025年度は「英語」「数学」「生物」に科目を絞らせていただいております。何卒ご理解いただけますと幸いです。
<追記2>国語の解答速報作成は、大学を限定し、時間が許す限り実施します。
※間違いを見つけた場合も上記からご連絡ください。確認し、訂正させていただきます。
講評
例年通りの出題であったが,第2問で差がつく問題であった。第2問のバイオテクノロジーの問題は,PCR法の基礎的な内容から発展的な内容が出題されていた。問1の(6)の問題に関しては,看護医療系の大学では出題があまり見られない問題である。
過去に順天堂大学医学部や関西医科大学医学部に出題されているような問題である。1分子スタートであったのが救いである。また問2に関しては,ブルーホワイトセレクション(青色選択)の問題である。しっかりと実験内容を事前に知っていたかで差が出る問題である。
IPTGの役割についても押さえておきたい。また,電気泳動法と問3の遺伝子組換え技術の問題も手を付けにくい問題である。第2問に受験生が苦手とする内容が凝集している。第1問と第3問でのミスが最小限にできたかが,鍵となる。
解答
第1問
問1 ア:⑧ イ:⑥ ウ:① エ:⑧ オ:⑥ カ:⑤ キ:⑧ ク:⑥
a:⑥ b:⑨ c:⑤ d:⑥ e:⑧ f:④ g:⑥ h:①
問2 A:② B:② C:②
問3 (1) ⑦ (2) ⑥ (3) ③
第2問
問1
(1) ア:⑤ イ:⑥ ウ:⑨ エ:⑦
(2) ②
(3) ③
(4) ④ (5) ④
(6) ②
問2
(1) ③ (2) ① (3) ②
(4) ②
(5) ②
(6) ア:① イ:⑤ ウ:⑥エ:⑧ オ:⑩
(7) ①
問3 ア:③ イ:⑥ ウ:⑤ エ:⑩ オ:①
第3問
(1) ア:② イ:⑤ ウ:⑧ エ:③ オ:⑥ カ:① キ:④ ク:⑩
(2) ③
(3) ③
(4) ①
(5) ③
問2
(1) ア:⑨ イ:③ ウ:⑤ エ:⑥ オ:④ カ:② キ:①
(2) ④
(3) ①
(4) ⑤
解説
第1問
問1 ア:⑧ イ:⑥ ウ:① エ:⑧ オ:⑥ カ:⑤ キ:⑧ ク:⑥
a:⑥ b:⑨ c:⑤ d:⑥ e:⑧ f:④ g:⑥ h:①
まず,「代謝の促進」なのでホルモンcはチロキシン,「組織のタンパク質を分解してグルコースを合成」なのでホルモンfは糖質コルチコイド,「組織でのタンパク質の合成を促す」なのでホルモンhは成長ホルモンである。そこから逆算して回答していく。
問2 A:② B:② C:②
ホルモンは内分泌器官から放出されて血流にのって標的細胞に作用する。その標的細胞からホルモンが放出される。
問3 (1) ⑦ (2) ⑥ (3) ③
インスリンとグルカゴンはすい臓や間脳視床下部で血糖を感知や,それぞれ副交感神経,交感神経の刺激によって分泌される。アドレナリンは交感神経の刺激によって副腎髄質から放出される。
第2問
問1
(1) ア:⑤ イ:⑥ ウ:⑨ エ:⑦
(2) ②
PCR法では1回のステップで2倍に増幅される。
10ステップでは210=1024(≒1000)なので,100万倍にするには,
210×210=1,000,000となる。よって20ステップ繰り返せばよい。
(3) ③
温泉とかに生息する好熱細菌が持つ耐熱性DNAポリメラーゼを使用する。
PCR法では何ステップも繰り返すので,ステップAやステップBで失活しない特性を利用している。
(4) ④
ステップAは95℃→ステップBは55℃~60℃→ステップCでは72℃(耐熱性DNAポリメラーゼの最適温度)で進んでいく。
覚え方:黒いココナッツ(くろ(96℃)ココ(55℃)ナッツ(72℃))
(5) ④
ステップAでは高温にすることで2本鎖DNAの水素結合が切れて1本鎖DNAになる。
ステップBではプライマーが結合する。
ステップCでは耐熱性DNAポリメラーゼによって,ヌクレオチド鎖が伸長する。
(6) ②
目的のDNAのみからなる2本鎖DNAは3回目のステップで2分子,4回目のステップで8分子となる。「目的のDNAのみからなる2本鎖DNA」を1分子と考えることに注意。
目的のDNAのみからなる2本鎖DNAは2n-2n本となる。
(別解)
複製回数 | (鋳型) | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ |
長+長 | 1 | ||||||
長+中 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |
中+短 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | ||
短+短 | 2 | 8 | 22 | 52 | |||
合計 | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 | 64 |
表を作成し,合計数から引く方法をとることもできる。
発展的な公式を覚えるより,再現性はあるのでお勧めしたい。
問2
(1) ③ (2) ① (3) ②
X-galはβガラクトシダーゼによって分解されると青色に発色する。
IPTGはラクトースオペロンの発現調節に関して,ラクトースに類似した物質なので,
IPTGがあれば転写が促進され,βガラクトシダーゼが発現してX-galが分解され青色に発色する。それ以外は白色となる。
(4) ②
アンピシリンを含む培地ではプラスミドを取り込んだ大腸菌が生き残る。
4.5kbpのプラスミドは遺伝子の組み込みに成功したプラスミドであるため,lacZ遺伝子が切断されて遺伝子として機能していない。よって,増幅したい1.5kbpの遺伝子が組み込まれていなければlacZ遺伝子は機能し,X-galとIPTGを加えたら青色コロニーを形成し,増幅したい1.5kbpの遺伝子が組み込まれていれば,白色コロニーとなる。
(5) ②
1,5kbpに含まれているアデニンの割合をx%とすると,
3.0kbp×25/100+1.5kbp×x/100=4.5kbp×28/100で計算すると,x=34%となる。
(6) ア:① イ:⑤ ウ:⑥エ:⑧ オ:⑩
DNAにはリン酸基があり,水素イオンが電離しているため,負の電荷を帯びている。
電気泳動は電圧をかけると,陰極から陽極に移動し,DNAの分子量が大きい(DNAの長さが長い)ほど,ゆっくり進む。逆に小さな断片ほど遠くに移動している。
(7) ①
制限酵素E単独だと,3.0kbpと1.5kbpの断片となる。
制限酵素EとBで切断した結果,2.0kbpと1.5kbpと1.0kbpができているので,制限酵素Bは3.0kbpを2.0kbpと1.0kbpに切断したと考えられる。
制限酵素EとXで切断した結果,3.0kbpと1.0kbpと0.5kbpができているので,制限酵素Xは1.5kbpを1.0kbpと0.5kbpに切断したと考えられる。
制限酵素BとXで切断した時は環状の組み合わせを考慮し,2.0+1.0=3.0kbpと1.0+0.5=1.5kbpの組み合わせと,2.0+0.5=2.5kbpと1.0+1.0=2.0kbpの組み合わせの2通りができる。
問3 ア:③ イ:⑥ ウ:⑤ エ:⑩ オ:①
植物ではアグロバクテリウムを植物に寄生させることで遺伝子を組み込む。
動物の場合は受精卵にDNAを注入して遺伝子を組み込む。
第3問
(1) ア:② イ:⑤ ウ:⑧ エ:③ オ:⑥ カ:① キ:④ ク:⑩
群れと縄張りに関する問題である。焦らず取り組めば,空所補充は埋められただろう。
行動圏が一番馴染みのない生物用語であったかもしれない。行動圏は,定住性の動物が日常的に動き回る範囲のことをいう。
(2) ③
群れに関するグラフ問題である。群れの大きさが大きくなるほど,「周囲を警戒する時間」が減少していく。よって,③が正解になる。
(3) ③
採食がもっとも多くなるのは,グラフの交点部分である。よって,③が正解になる。
(4) ①
周囲の警戒に使う時間のグラフが,右側にシフトするので,最適な群れの大きさは大きくなる。
(5) ③
グラフの差が最大になるときが,最適な縄張りの大きさである。
問2
(1) ア:⑨ イ:③ ウ:⑤ エ:⑥ オ:④ カ:② キ:①
生物群集に関する問題である。リード文をしっかり読むことができれば,空所補充問題は埋めることができたであろう。
(2) ④
(3) ①
(2)と(3)の問題は教科書に載っている図と変わらないものである。間違ってしまった場合は,しっかりと教科書に戻って,明日以降の入試に備えてほしい。
(4) ⑤
相利共生:双方の種が利益を得る関係である。
具体的例として,アリとアブラムシ・マメ科植物と根粒菌,クマノミとイソギンチャクがあげられる。
片利共生:一方の種が利益を得る関係である。
具体的として,サメとコバンザメ・ナマコとカクレウオ(右側の生物に利益がある。)
寄生: 片方に利益があり,もう一方に不利益がある関係である。
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