看護医療系専門進学塾の桜芽会です。

桜芽会では、各大学の看護系学部について、入試問題の解答解説を載せていきます。

今回は、国立看護大学校 2025年度 （一次試験） 生物の解答解説を載せます。

国立看護大学校を志望している生徒は是非参考にしてください！

🌸たくさんの問題ご提供ありがとうございました🌸
今年度も皆様のご協力のおかげで解答速報を作ることができました。
本年度の解答速報の募集は終了致します。（国立看護大学校は数学、生物のみ）
時間の関係上、お待たせをしたり、全てのご依頼に応えられないこともあり、申し訳ございません。
今後とも看護医療系専門進学塾 桜芽会をよろしくお願いいたします。
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※間違いを見つけた場合も上記からご連絡ください。確認し、訂正させていただきます。

講評

第3問は恒常性，第4問はコムギの倍数化と遺伝，第5問は酵素の性質のグラフ，第6問は神経の計算問題とオシロスコープの実験である。

差がついたと思われるのが，コムギの倍数化の問題と，第6問である。

オシロスコープの問題は電極を細胞内か細胞外か，またどちらの電極が基準電極で，どちらが測定電極かを判断しないといけない。

解答解説

第３問

A問1②　問2③　

実験より，静脈洞と右心房の境で切り分けると，静脈洞はX，心房・心室はYとなり，心房と心室の境で切り分けると，心房はY，心室はXとなったことから，心房や心室は静脈洞の拍動のリズムに従っており，心室は心房の拍動のリズムに従っていたと考えられる。

また心房，心室は拍動リズムの差はあれど，それぞれ自発的に収縮している。

B問3⑤

心臓の拍動の中枢は延髄で行われている。

問4②

レーウィーの実験である。この拍動リズムを遅くさせる物質はアセチルコリンであり，細胞膜上の受容体に結合して，胃のぜん動運動を促進する。

問5①

視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが下垂体の毛細血管（血管）に放出され，脳下垂体前葉（標的器官）に作用する。

第４問

問１②

一粒系コムギの配偶子は7本の染色体，野生コムギの配偶子は染色体7本である。交雑の結果，14本の染色体となったあとで倍数化が起こり，28本の染色体をもつ二粒系コムギとなった。

次に二粒系コムギの配偶子は14本の染色体，タルホコムギの配偶子は7本の染色体である。交雑の結果，21本の染色体となったあとで倍数化が起こり，42本の染色体をもつパンコムギが生じた。

問2④

問題文より，表現型として[PQ]＞[Pq]＝[qQ]（PとQの優劣は不明）＞[pq]であり，それぞれの遺伝子は独立の関係である。

品種P（PPqq）と品種Q（ppQQ）を交配するとできる雑種第１代はPpQqとなる。

雑種第１代を自家受精して得られる雑種第２代の表現型の比は[PQ]：[Pq]：[qQ]：[pq]＝9：3：3：1である

この中で[PQ]の割合は9/16なので，56％である。

問３⑤

コドン表で見たときに，アスパラギンはAAUが指定している。

ロイシンはUUA，UUG，CUU，CUC，CUA，CUGの6つのコドンが指定するが，1つの塩基の置換だけでは，アスパラギンからロイシンにはならない。

問4③

問5④

二粒系コムギ(AABBとおく)とタルホコムギDDとおく)を交雑した雑種第1代を栽培し，核内の染色体を観察したところ，相同染色体は1組も見られなかったので二粒系コムギとタルホコムギは別の染色体と考える。

二粒系コムギ(AABB)と一粒系コムギ(AAとおく)の雑種第１代の核内はAABとなるので相同染色体は7組である。また二粒系コムギ(AABB)とパンコムギ(AABBDD)の雑種第1代はAABBDとなるので相同染色体は14組である。

第5問

問1④

酵素は活性化エネルギーを低下させることで反応を促進させ，自身は変化しない。

問2⑤

試験管Ｃは前処理で温度を下げても，酵素反応のときには最適温度であるため，気泡が多く発生する。

試験管Ｅは前処理で温度を90℃にしているため，酵素が変性してしまっている。温度を最適温度に戻しても元に戻らないため，酵素が働かず気泡が発生しない。

試験管Ｇは前処理で強酸性になっているため，酵素が変性してしまっている。ｐＨを元に戻しても酵素は変性したままなので，酵素が働かず気泡が発生しない。

問3　阻害物質Ｐ⑧　阻害物質Ｑ①

イのグラフは非競争的阻害で，酵素の活性部位以外に阻害剤が結合し，酵素の活性を阻害する。

ウのグラフは競争的阻害で，酵素の活性部位に阻害剤が結合し，酵素の活性を阻害する。

基質濃度を上げてあげれば，阻害剤の影響はほとんどなくなる。

問４⑤

過酸化水素水2mlの中には2g×3/100の過酸化水素があり，34gで1モルである。

また過酸化水素2モルに対し，酸素が1モル発生するので，

2g×1/34×3/100×1/2×22400＝19.7≒20ml

問5②

カタラーゼは酵素であり，自身は変化しない。気泡が発生しなくなったのは基質である過酸化水素水がなくなったからである。

第6問

Ａ問1②　

問2②

①→低音は先端部で受容する。

③→傾きを受容するのは前庭である。半規管は体の回転を受容する。

④→かぎ刺激ではなく，適刺激である。

問3④

(4-2)cm/(7-6)m秒＝2cm/m秒＝20m/秒

問4③

点Ａで考えると2cmの伝導時間＝1.0ｍ秒なので，伝達時間をXm秒とおくと

1.0ｍ秒＋Xm秒＋3,5m秒＝6.0m秒　X＝1.5m秒

Ｂ

問5①

オシロスコープの問題では電極が刺さっているところが，細胞内なのか，細胞外なのかを確認すること。今回は電極Ｐ，電極Ｑどちらも細胞の表面に設置しているため，細胞外電極となる。

次に基準電極と測定電極を確認する。図3を見てみるとＲからの刺激に対し，電極Ｑを基準電極とすると，電極Ｐではマイナスの電荷を記録するはずだが，プラスの波形になっている。よって電極Ｐが基準電極，電極Ｑが測定電極となっている（電極Ｐに対して電極Ｑの電位を測定しているということ）

図４のように電極Qに対して対称的に電極Ｐ（基準電極）をLcm右側に設定したときのグラフの波形を考える。電極Ｑはマイナスとなり，①のようになる。

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