インタビュー
2023年12月05日
看護医療系専門進学塾の桜芽会です。
桜芽会では社会で看護師として働いている先輩に、現在の仕事や学生の頃の勉強についてインタビューを行い、シリーズとして掲載していきます!
将来看護師を目指している人や看護学部を目指している方はもちろん、まだ何を目標にして良いか分からないという方もぜひ読んでみてください。
先輩基本情報
氏名:M(匿名希望)
年齢:30代
性別:女性
職業:看護師
現在の仕事内容
大学病院の準集中治療室(一般病棟と集中治療室の間の病棟)で働いています。
緊急入院や術後の患者様が多く入院され、患者様の入れ替わりは多いですが看護師や他職種と協力して患者様の安全を守りつつ、治療を行っています。
また、ご自身で動けない患者様も多いので、チームで協力しながら日常生活の援助やリハビリも行っています。
1日のスケジュール
【日勤の場合】
6:00起床
7:00出発
7:30ロッカーで着替え
病棟に行って受け持ち確認、情報収集(申し送りの30分~1時間前に病棟に着くスタッフが多いです。私はゆっくりです。笑)
8:00申し送り(引き継ぎ)
検温、点滴準備・実施、清潔ケア、処置介助、検査の送り迎え、リハビリなど
病棟に帰る患者さんの移送
11:00休憩前の申し送り
患者様の移動や状態変化も多いため、一度みんなで情報を共有して安全を守れるようにしています。
11:30血糖測定・インスリン投与、配膳、食事介助・見守り、経管栄養実施
12:30~13:30休憩(2チーム分かれて交代で休憩します)
13:30下膳、配薬・与薬
14:00カンファレンス(患者さんの情報共有や今後の看護の方向性についての話し合い)
14:30検温、点滴実施、清潔ケア、処置介助、検査の送り迎え、リハビリなど
緊急入院の対応や手術が終わった患者様の受け入れ等
15:30夜勤へ申し送り
ドレーン排液やお小水の破棄、患者さんにあいさつ。
夜勤は担当する患者様の人数が多く忙しいですし、夜間は医師がいない診療科もあるので、指示の確認や患者さんの気になることの報告などを日勤で終わらせておき、できるだけ夜勤さんが困らないよう準備して申し送りをします。
16:00カンファレンス(お知らせや勉強会、インシデントの振り返りなどの話し合い)
(16:30定時ですが終わらなかった記録などをやります…)
勤務終了後は帰宅してゆっくりする日もあれば、その日わからなかった疾患や処置、明日担当する患者様についての勉強などをします。
コロナが落ち着いてきてからは同僚とご飯に行くこともあります。
【休日】
予定がない日は午前中気が済むまで寝ます。笑
勤務が続くと部屋の中が荒れるので溜まった家事をしながらのんびりします。
連休を取得して旅行に行ったり、友人や同僚とお出かけしたりと余暇も十分楽しめます。
研究や学会、講習会があったりすると休日も作業に追われたり、チームの先輩の勤務時間に合わせて病棟に行ってミーティングをしたりすることもあります…私はありがたいことに参加する機会が多かったので、休日返上することも多かったです。
何もなければ休日は自分の時間にして過ごせます。
看護師を目指したきっかけ
それがあまり覚えていないのですが、子供の頃から「看護師さんになる!」って言っていたみたいです。笑
尊敬している大好きな祖父が教師をしており、幼い頃から様々な偉人の伝記などを読ませてくれていました。
その中でも特にお気に入りだったのがナイチンゲールの伝記でした。
ナイチンゲールの優しさはもちろんですが、当時の患者様の療養環境の改善、看護師の地位向上につながった公衆衛生や統計学に関する深い知識や行動力を尊敬しています。
もともと人の役に立つことがとても好きだったこともあり、看護師という道を選びました。
仕事で大変なこと
準集中治療室という特性上、様々な疾患の患者様がいらっしゃいます。
診療領域がある程度決まっている一般病棟と比較すると勉強すべきことが多いので大変さを感じます。
その分、多岐にわたった経験ができるので看護師としての成長にはつながっていると思っています。
できれば患者様ひとりひとりに時間を割きたいと思いながらも、繁忙な勤務の中でなかなか時間を割くことができずジレンマを感じることもあります。
診療領域が広いということは、それだけ同世代で連携できる部署ということでもあります。
みんなで協力して患者様に必要な時間を作って介入していますが、患者様のお気持ちを考えるともっとゆっくり関わることができたらいいのに…と思うことも多々あります。
仕事のやりがい
準集中治療室という特性上、生命が危機的状況に陥った状態で入院される患者様も多いです。
様々な診療科にわたる医師、看護師、リハビリスタッフ、臨床工学技士、薬剤師、栄養士と様々な職種でチームになって患者様について考え、治療や看護を行い、少しずつ状態が改善していく様子を患者様の一番近くで見守り、関わることができることに喜び感じます。
重症で寝たきりだった患者様が車いすに乗ることができたり、歩けるようになったりしたときは嬉しくて泣きそうになります。
オンラインでしか面会ができなかった世の中でしたが、画面越しにでも患者様とご家族がお顔をみてお話しされるまで改善し、涙を流しながら喜んでいらっしゃるときなどは、私たちもとても嬉しく思っています。
今後のキャリア、やりたいこと
現在転職活動をしており、今後は看護資格を活かして企業で働くことを考えています。
看護師として臨床で働き、目の前の患者様に貢献することにもとても意義ややりがいを感じていました。
しかし、今の医療では限界があることも目の当たりにして悔しい想いをしたこともあります。
また、医療者が手を尽くして症状が軽快して退院されても、自宅で十分に自己管理ができず、重症化して何度も入院される患者様を見ては悲しい想いをしたこともあります。
看護師の資格を活かしながら、新薬や医療機器の開発や普及や定着、医療現場や製薬会社が抱える課題の解決などに貢献することで、いま目の前の患者様を救う以上の、これから同じような疾患になる未来の患者様を救う一助になりたいと考えています。
勉強法(小学校から高校まで)
小学校のときの記憶はあまりありません………
授業に集中していたので、勉強でつまずいたことはあまりなかった気がします。
祖父が教員をしており、特に国語が好きだったため、読書が趣味になっていたので、文章を読むことが苦ではなかったです。
中学校時代は、真面目だったので(笑)、授業の予習復習をしっかりし、都度わからないことを解消して学習をすすめていました。
カリキュラム以上の難しいことはわかりませんでしたが、田舎の高校受験には毎日の自習をしていたことで十分対応できました。
あとは洋画が好きだったので、字幕も音声も英語にして映画をみたり、英語でファンレターを書いて送ったりして英語を楽しんで学習していました。
おかげで、中学校3年生で英検準二級取得、高校受験の英語は98点でした。(都会では普通でしょうか?笑)
高校では後述していますが、ごりごりの進学校だったので勉強する環境が整っており、課題をこなすので精一杯でした。
授業の進度も早く、教科も増えてついていくのがやっとで、予習復習が十分にできていなかったと思います。
斜め前が毎回学年トップ、前が全国模試で物理100点、右斜め前が全国模試の化学100点と言う恵まれた席にいたのでたくさん教えてもらいました。
中学時代のおかげで、成績下位者だったのに模試のリスニングだけは相変わらずほぼ満点で先生から笑われていました。笑
そんな勉強の仕方だったので、合格したのは第一志望ではない大学でした。
入学者の中では成績上位でしたが、入学後に少しやる気を無くしてしまったので、高校時代にもっと死ぬ気で真面目にやっておけばよかったと後悔しています。
やはり第一志望の大学に合格するというのは、その後のモチベーションに直結するので重要なことだと思います。
受験期のストレス発散法(モチベーションの維持方法)
大学のホームページを見て、看護師になった自分やキャンパスライフを楽しむ自分を妄想してモチベーションをあげていました。
また、学校や近くの図書館、学習スペースに行けば誰かしらが自習していたので、みんなが頑張っている姿を見たり、休憩時間にコンビニに行きがてら一緒に問題を出し合ったりして楽しみながら勉強していました。
どうしてもモチベーションがあがらないときは、一旦寝るか、運動やピアノを弾く等違うことをして過ごしました。
就活/インターン事情
看護師の就活は、一般企業の就活とは違い独特だと思います。長期間のインターンもあまりありませんし、ESなどの作成も不要です。
おそらく1日程度のインターンや見学会をしている病院がほとんどかと思います。
ナースステーションの雰囲気や、患者様への対応の仕方、学生さんへの態度など、雰囲気でわかることはあると思うので、実際に様々な病院のインターンに参加して、自分の目で病棟の雰囲気を見た方が入職後のギャップが少なくて済むかと思います。
面接の際にも志望動機に説得性が出るので参加をおすすめします。
私の場合は実習していた病院に就職したので、イメージと大きな乖離はなく、同じ病院で10年勤務できました。
配属される部署によって雰囲気が大きく違うので、インターンで印象がよかった病院は絶対楽しく働ける!と言い切れるわけではありませんので、入職後あまりにしんどかったら心が壊れる前に異動するなり対応してくださいね。
私は1年目のときの師長と数名のお局様、患者様に鍛えていただいて、精神的にとても強くなりました。笑)
学生生活
今やだれも信じてくれませんが、中学生までは優等生だったので学級委員をするなど、真面目に過ごしていました。
高校は女子高だったのですが、みんな学業にも行事にも真面目に取り組む学校で、いい同級生達に出会え、とても充実した高校生活を送ることができました。
様々なことを一緒に乗り切った戦友のような感覚もあり、今もやりとりをしている友人が大勢います。
大学は第一志望ではなかったことと、いままで真面目過ぎたためか自由を手にした途端頑張る気持ちが薄れてしまい、プライベート重視で生活していました。
さすがに学年を重ねるにつれて実習も増え、職業の責任の重さや、知識量の大切さを身に染みて感じるようになり「1年生のときのあの授業、もっと真面目に聞いておけば…」と後悔することが多かったので、みなさんは真似しないようにしてください。笑
ボランティアに興味があったため、ボランティアサークルに入り重症心身障がい児の方々とキャンプをするなどの経験をすることもできました。
どこの大学を選んだか、その理由
私は地元の公立大学を選んだのですが、当時看護師の中でもどの領域に興味があるのかわからなかったため、将来の選択の幅を広げるために保健師や助産師の資格も取れる大学へ進学しました。
カリキュラムに保健師を取るための授業が必修で組み込まれていたため、地元の地域における健康上の問題や、行政が行っている対策を学ぶことができました。
助産師を目指す場合は追加で履修して取得することができます。助産師を目指している方は取得できる大学に通った方が時間もお金も節約できるかと思います。
履修中はとても忙しいですが、本気で取りたかったら乗り越えられると思います。私は挫折しました。笑
また国際看護にも興味があり、私が選んだ大学では3年次にアメリカの大学や大学病院を見学することができることも魅力でした。
看護師は学歴社会ではありません。でも、進学先により実習する病院が決まりますし、新採用で入職する病院で若い頃に学んだことは先の看護師人生の強みにすることができると思います。
急性期に強い病院、災害医療に強い病院などスペシャリストを目指す看護師を育てようとしている病院、看護理論や基礎を重要視しジェネラリストを育成したいと考えている病院など、病院や大学にも特色があります。
今はイメージがつきにくいかもしれませんが、看護師になることがゴールではなく、看護師になってその先に自分が何をしたいのかを考えることができれば、選びたい進学先も変わってくるかもしれません。
また、海外でのボランティア経験を通して、進路が第一志望ではなくても、自分が知らないこと、学ぶべきことはたくさんありますし、学ぶ環境に身をおけることは幸せなことだと改めて思えるようになりました。
私はその感謝が足りなかったと今になって反省しているので、みなさんは私の反省を活かしてください…
なぜ専門学校ではなく大学を選んだのか
先述の通り保健師や助産師もとれること、また海外研修などの制度があることから大学を選びました。
また、他の学科との交流により視野が広がり、臨床に出てからのチーム医療にも活かせるのではないかとも考えました。専門看護師の取得を視野に入れていたことがあり、大学院に進学する必要があるので、大学を選んでよかったと思っています。
専門学校であれば座学から実習までを3年で終わらせなければいけないところ、大学では4年間あるのでゆっくり余裕をもって学ぶことができる方が自分に向いているかな、とも思いました。
塾or予備校には通っていた?
実は、塾には通ったことがありません。
高校受験は地方だったのでそれほど競争率も高くなく、自己学習で第一志望に合格することができました。(公立中学校で学年10位以内程度の学力でした)
高校は進学校だったため先生方がとても熱心で、1年生の頃から課題も多く、3年生になるとベースとなる1~6時間目の授業の前後にも1コマずつ授業をして下さり、テスト期間も学校で勉強していればいつでも先生に質問できる環境にありました。
社会人になってから、当時の先生方の大変さや優しさに気付いて感謝しています。
同級生も努力家な子が多く、みんなで教えあったり、ゲーム感覚で点数を競い合ったりと切磋琢磨できる環境にありました。
同じ目標を持つ人たちと勉強するという環境があったことは非常に良かったと思います。桜芽会のように看護医療系を一緒に目指す生徒が集まった環境はすごく羨ましいです。笑
塾には行く暇がなくて通っていた子は少なかったかと思いますが、私たちの学年は進学率100%でした。学ぶ姿勢が自然と身に着く環境があったことに感謝しています。
逆に、現在そのような環境にない人は塾に行くという選択肢も考慮すべきかもしれません。
私は学業においては恵まれた環境にいましたが、独学で勉強するというのはそれなりのメンタルや恵まれた環境が必要不可欠です。
受験勉強を始めた時期
部活の大会が秋まであったため、受験勉強として集中して始めたのは秋頃だったかもしれません。
今でも思いますが、遅いです。遅すぎます。真似しないでいただきたいです。笑
先述の通り勉強する環境が整っていたため、全く勉強していなかったわけではありませんが、私は課題やテストと部活をこなすだけでした。
もっと早くから自主的に勉強を始めていれば、大学選択の幅が広がり、その後の人生の幅も広がっていただろうな…と後悔しています。
受験期と受験期以外での平日、休日の勉強時間
はるか昔すぎてあんまり覚えていないのですが…
受験期は学校以外で平日4~5時間、休日7~10時間、受験期以外は学校以外で平日2~3時間、休日4~5時間だと思います。(部活がある日はもっと少なかったかもしれません)
塾には行っていませんでしたが、他の人と比べて高1からコツコツ勉強していたと思います。
私は効率もあまりよくなかったので、もっと本気で勉強すればよかったな…と心から思っています。
死ぬ気で勉強する時期なんて人生でこの時期と国試前くらいだと思うので、ここで死ぬ気で努力して合格をつかんだという成功体験があれば、今後の人生においても自分に自信をもって過ごせるようになっただろうと思います。
受験生や看護師を目指す人にアドバイス
看護師は間口が広いので「看護師になりたい」と言う気持ちがあれば、なれる職業だと思っています。
ただ、勉強や実習はつらいし心が折れそうになることも多いです。でも、この時期の頑張りが今の自分に自信をくれて、今後の選択肢を広げてくれます。
看護師になった先にどんなことを実現したいのか、どんな看護師になりたいのかをイメージすることでより頑張れる力が出てくるかと思います。
心が折れるまで頑張るのはおすすめしませんので、無理のない程度に過ごしてくださいね。
私もまだまだ学ぶべきことがたくさんあるので、一緒に頑張りましょう!
いつかどこかで一緒に働ける日を楽しみにしています。
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