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【解答速報】川崎医科大学 医学部(生物)解答・解説 2024年

入試分析/解答速報

2024年01月22日

看護医療系専門進学塾の桜芽会です。

今回は、川崎医科大学 医学部(生物)解答・解説 です。

解答

 1⃣

問1 ア-① イ-⑥ ウ-④ エ-②

問2 (1) オ-⑨ カ-① キ-③ ク-⑦ ケ-⊝    (2) コ-①

問3 サ-① シ-③ ス-⑨

Ⅱ 

問1 (1)セ-1 ソ-0 タ-1 チ-6 (2)ツ-0 テ-2 (3)ト-1 ナ-6

問2 ニ-①③

 2⃣

問1ア-①

問2 (1)イ-2 ウ-3  (2)エ-3 オ-2 カ-2 キ-4

問3 (1)ク-0 ケ-6 コ-0 サ-3 シ-0 ス-3 セ-0 ソ-8  (2)タ-1 チ-2

問1 ツ-⑦

問2 テ-③ ト-⑤

問1 (1)ナ-⑤ ニ-解答なし(⓪)

問2 ヌ-③ ネ-④ ノ-⑤ ハ-② ヒ-①

解説

 1⃣

問1

細胞内で合成されたタンパク質は,リボソーム→小胞体→ゴルジ体→分泌物を含む小胞→小胞体→細胞膜→細胞外という流れによって分泌される。

問2

(1) 間脳の視床下部で浸透圧の変化を感知し,脳下垂体後葉からバソプレシンが放出される。

バソプレシンは血管側に存在する受容体に結合し,アデニル酸シクラーゼを活性化し, 細胞内のcAMPを増加させる。その結果,アクアポリン(水チャネル)が,細胞内に水を受動輸送する。

(2) 血管側(組織側)の受容体に結合する。

問3

ナトリウムポンプは常にはたらいており,非電位依存性Kチャネルは常に開いている。

また,絶対に押さえておきたいのが,細胞内にKが多く,細胞外にNaが多いことである。

サ:静止電位 

シ:脱分極 Naの流入

ス:再分極 Kの流出

問1 サルコメアの長さから,アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの長さを求める問題である。今年の岩手医科大学においても出題されている。

(1) 注目すべきは,横軸である。サルコメアの長さが,2.0㎛と3.6㎛に着目する。

2.0㎛は張力が100%であり,アクチンフィラメント同士ががちょうどくっついている状態である。そのため,2.0㎛÷2=1.0㎛がアクチンフィラメントの長さである。注意したいのが,2.0㎛を2で割らない受験生を多くみる。あくまでも,アクチンフィラメントの一本の長さを求めたい。また,サルコメアの長さがMAXである3.6㎛は,ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントが重なりあわない状態である。そのため,3.6㎛-2.0㎛=1.6㎛がミオシンフィラメントの長さである。

(2) ミオシン分子の頭部がない部分の長さを求める問題である。2.2㎛-2.0㎛=0.2㎛

(3)「張力が50%のとき」という典型問題であるが,今回求めるのは,「暗帯」の長さである。

覚えておきたい語呂がある。「暗帯(あんたい)は安泰(あんたい)」である。

受験生を救ってくれる語呂なのでぜひ覚えていただきたい。

正誤問題で以下のような問題があります。

問:以下の文は,正しい文か誤っている文か答えなさい。

文:暗帯の長さは,収縮時や弛緩時に変化する。

答:誤り。暗帯の長さは,収縮時や弛緩時に変化しないため。

今回の問題に関しても,張力が50%のときだからといって,暗帯の長さは変化しない。

よって,ミオシンフィラメントと同じ長さの1.6㎛になる。

問2 ミオシンフィラメントは,タンパク質であり,ミオシン分子の頭部がATP分解酵素として働くため,①と③が正解になる。

2⃣

問1

(1)

DNAの糖は,デオキシリボースである。

ヌクレオチド:糖と塩基とリン酸が結合したもの。

ヌクレオシド:糖と塩基が結合したもの。

問2 シャルガの規則に関する問題である。

(1)2本鎖におけるグアニンの割合なので,

100%-54%=46% 

46%÷2=23%

(2)この問題が難しいのは,2本鎖の合計を100%としている数と1本鎖を100%としている数が混在していることである。よって,どちらかに統一することによって,ミスが減るように思える。2本鎖全体を100%とすると,プラス鎖における塩基の割合であるチミンが11%,グアニンが12%になる。

マイナス鎖におけるチミンの割合は,54%-11%×2=32%である。プラス鎖のチミンは,32%÷2=16% 1本鎖を50%としているので,16%×2=32%

マイナス鎖のグアニンの割合が12%であるため,プラス鎖のシトシンは12%である。1本鎖を50%としているので,12%×2=24%

今回は,2本鎖を100%として解説したが,2本鎖の合計を200%にして計算してもよい。また,参考書にはさまざまな解説が載っているので,解けていれば問題はないです。もし,間違ってしまった場合は,予備校の先生や学校の先生に質問しにいき,解法を確立させましょう。

問3

(1) 問題文にある通り,「チミジンはDNA合成時に細胞内に取り込まれる」とある。つまり,複製をしているS期に標識されることがわかる。

標識されたS期の細胞が移動して,分裂期に移動したのが,グラフから3時間であることがわかる。細胞周期はG1期→S期→G2期→M期の順で進行することから,G2期の長さが3時間であることがわかる。

その後,グラフから6時間後にM期の細胞が100%標識されているので,M期が3時間であることもわかり,11時間後にM期の標識された割合が100%から減り始めていることから,標識したときのG1期がM期にきていることがわかるため,S期+G2期=11時間である。

よって,S期は11時間-3時間=8時間であることがわかる。また,全体の細胞周期が20時間であることから,G₁期は,20時間-8時間-3時間-3時間=6時間である。

(2)培地を交換せず,3Hチミジンを含む培地で培養を続けた場合,全て標識されるのは,6時間+3時間+3時間=12時間である。もしくは,全体の20時間-8時間でもよい。

問1

「アズキの幼虫が,インゲンで生育しない原因を調べるため」と本文にある。これが.今回の実験も目的・テーマである。

表2から,インゲンのエーテル抽出物質の残さ(B)の組成の時に,に羽化成虫数が0(ゼロ)になっている。

表3から,インゲンのエーテル抽出残さ(B)・インゲンのクロロホルム抽出と残さ(C)・インゲンのアルコール抽出残さ(D)の羽化成虫数の数がゼロもしくは少ないことから,解答が得られる。

問2

環境収容力:ある環境で特定の種が存在できる最大値の個体数。

資源は,実際には有限であり,個体群密度の上昇に伴って不足する。これにより,種内競争が起こるなどをして,個体群の成長は抑制される。

ある環境で維持できる最大の個体数を環境収容力という。注意しておきたいのが,環境収容力を何かしらの力であると誤認している受験生がいるが,力でなはく最大の個体数である。

相変異:個体群の過密により,動物の体長や行動に著しい違いが表れる現象。

個体群密度に応じて,同一種の形態や行動に著しい変化が生じる現象を相変異という。例として,ワタリバッタの話があげられる。

また,今年の国際医療福祉大学でも出題されているが,孤独相・群生相についても確認しておこう。

問1

(1)細胞内共生説は,マーグリスによって提唱された。

①シュライデンは,植物の細胞説を提唱した。

②シュワンは,動物の細胞説を提唱した。

④フックは,細胞を発見した。実際は,細胞壁であった。

⑥リンネは,二界説や二名法を提唱している。

(2) 真核生物にあるミトコンドリアや葉緑体は,それぞれ原核生物である好気性細菌とシアノバクテリアが共生したものと考えられてる。選択肢にあったのが,光合成細菌と嫌気性細菌なので,解答なしになっている。一応選ぶならということで,解答を⓪にしている。

そのため,環状DNAであるということも押さえておきたい。2023年の帝京大学医学部でも,真核細胞に環状DNAがあるかないかという正誤問題が出題されている。

ミトコンドリアの環状DNAが思い描ければよいだろう。

問2 問1の問題から考えると解きやすい。シアノバクテリアが共生した結果,葉緑体ができたということは,その遺伝子は近いといえる。

また,真核生物により近縁なのは細菌ではなく,古細菌であることが分かれば解答できた問題である。

 最後に,ドメイン説を提唱したのは,ウーズであり,rRNA(リボソームRNA)を解析した。その結果,細菌(バクテリア)ドメイン・古細菌(アーキア)ドメイン・真核生物(ユーカリア)ドメインという3つに分けた。

講評

大問構成は,去年と変化がなかった。ただ,小問の数に変動があった。全体として,去年よりも易化している。

1⃣

基礎的な問題であるため,高得点を狙いたい。

サルコメアの長さに関する問題は,岩手医科でも出題されているので,満点を狙いたい。現役生からすると,あまり馴染みがないかもしれないが,得点したいところである。

2⃣

チミジンの細胞周期の問題で差がでたように思える。既卒生は予備校で扱われるが,現役生にとっては馴染みがないと思う。しっかりと復習しておきたい。頻出な問題である。

考察問題であるが,読みやすく解きやすかった。

細胞内共生説の問題であるが,去年度の川崎医科大学でもミトコンドリアと葉緑体についての問いがあった。しっかりと過去問を演習していた受験生にとっては,得点できた問題である。

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