入試分析/解答速報
2024年01月24日
看護医療系専門進学塾の桜芽会です。
桜芽会では、各大学の看護系学科について、入試問題の解答解説を載せていきます。
今回は、2024年度 共立女子大学 全学部統一方式(数学)の解答解説を載せます。
共立女子大学を志望している生徒は是非参考にしてください!
【講評】
各分野から満遍なく出題されている。数の性質などは中学範囲の問題などもあり、中学数学を忘れてしまっている、式変形や定義定理を忘れてしまっているという生徒は復習しておく必要がある。
全体的にレベルは非常に優しい。応用的な問題はほとんど見られず、式変形、各単元の定義定理がしっかりと頭に入っており、教科書傍用レベルの問題集の内容が定着していれば、8割以上は問題なく取れるレベルである。
逆にいうと、計算ミスや問題を解くスピードが合否を分けるポイントになる。具体的な問題で言うと、Ⅰ〜Ⅳまでは確実に得点しておきたい。
Ⅴも基本的な問題ではあるが、空間図形を苦手とする生徒は多い。ここで時間を使ってしまい、Ⅵで十分な時間を残せなかった受験生は多いのではないだろうか。
空間図形はもちろん、平面図形においても、ひらめきはもちろん重要であるが、補助線の引き方をはじめとする典型解法がしっかりと頭に入っていればⅤは時間はかからない。
Ⅵの絶対値を含む関数の場合分けが少し面倒なので、Ⅰ〜Ⅳでいかに計算ミスをなくし、Ⅴで時間を使わずにⅥに取り掛かるか、というところが本年度のポイントである。
ただし、Ⅵに関しても定義域は示されているので、絶対値内の符号がどうなるかを定義域の具体的な値を入れてみれば分かる。
Ⅵに時間をかけて落ち着いて解けば、かなりの高得点が期待できるはずだ。
その他の科目、大学の過去問解答/解説はこちら。
【解答】
Ⅰ | 解答 | Ⅱ | 解答 | Ⅲ | 解答 | Ⅳ | 解答 | Ⅴ | 解答 | Ⅵ | 解答 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ア | 2 | ア | 7 | ア | 5 | ア | 5 | ア | 3 | ア | 1 |
イ | 5 | イ | 1 | イ | 2 | イ | 2 | イ | 3 | イ | 3 |
ウ | 2 | ウ | 2 | ウ | 5 | ウ | – | ウ | 3 | ウ | 2 |
エ | 2 | エ | 3 | エ | 3 | エ | 3 | エ | 2 | エ | 3 |
オ | 4 | オ | 4 | オ | 7 | オ | – | オ | 1 | オ | 1 |
カ | 1 | カ | 2 | カ | 3 | カ | 0 | カ | 3 | ||
キ | 3 | キ | 4 | キ | 5 | キ | 1 | キ | 1 | ||
ク | 3 | ク | 5 | ク | 2 | ク | 1 | ||||
ケ | 7 | ケ | 3 | ケ | 8 | ケ | 1 | ||||
コ | 2 | コ | 9 | コ | 5 | ||||||
サ | 1 | ||||||||||
シ | 3 | ||||||||||
ス | 5 |
解説
Ⅰ
(1)
有理数と無理数を判別する問題。有理数は分数で表せるが、無理数は分数で表すことができない。無限少数であっても、循環していれば分数で表すことが可能である。
基本的にはルートとπが無理数であることを押さえておけば良い。ただし、0.36のルートは外せるのでこれは有理数である。
(2)
有理化の問題。分母が2項の有理化問題はできるが、3項になるとできないという生徒は意外と多い。しっかりと計算問題をこなしていれば問題集で一度は見たことがあるはず。
前半の1と√2、後半の√3に分けて、通常の有理化と同様、和と差積に持っていけば良い。
(3)
不等式を解く問題。一次不等式なので、もしかすると中学で習っている生徒もいるかもしれない。両辺に15をかけて分母を払ってから計算する。n<13.5となるので、これを満たす最大の自然数は13
Ⅱ
データの平均値、分散の求め方を押さえていれば解ける問題。平均はa,bを含む全てのデータを足して、データ数の5で割ると求められるため、これを題意で与えられている4と等式を結べばa+bの値が求められる。
分散はa,bを含む各データから平均値の4を引き、2乗して足し合わせ、最後にデータ数の5で割ると求められる。これを題意で与えられている4と等式を結び、平方完成して先ほど求めたa+bの値を代入すると、a×bを求める等式が得られる。
最後にa+b=7とab=12を連立して代入法で解けば、aとbの値が決まる(a<bに注意)。
Ⅲ
(1)
二次不等式の計算問題。二次不等式はゼロより大きいか小さいかで最後の答えが閉じるか開くかが変わってくるが、これは問題で与えてくれているので、二次不等式というよりも二次方程式の計算問題に近い。
(2)
絶対値の外し方が分かっていれば解ける問題。左辺全体に絶対値がかかっているので、−3と3で絶対値内の式を挟んで連立不等式として解く。
これも、本来であれば各不等式を解き、最後に線分図を書いて答えを導くが、最後の範囲の選別が問題にほとんど記載されているため、マーク式のテストに慣れている生徒とそうでない生徒で解くスピードに差がつく問題である。
Ⅳ
(1)
題意の情報を等差数列の公式に当てはめ、連立方程式を作って解く問題。
10項から20項までで30の減少が見られることから、公差の−3を暗算で求め、第10項から第1までの差を3×9=27と算出し、第10項に足して第1項を暗算で求める受験生もいたかもしれない。
初項と公差さえ求めてしまえば、あとは公式に代入して一般項を求めれば良い。これも計算スピードに差がつく問題である。
(2)
(1)で求めた一般項に−41を代入してnを求める問題。これは(1)が解けた受験生へのサービス問題。
Ⅴ
(1)
ⅠからⅣが定義定理や計算の問題であったのに対し、Ⅴ以降は基本解法を問う問題である。(1)は立体問題というよりも平面図形の問題。
P、QからそれぞれEGに垂線を下ろし(それぞれの垂線の脚をR、Sとする)、台形を2つの直角三角形と1つの長方形に分ける典型的な補助線。PQの長さをEGにうつし、ER、RS、SGの長さを求める。
あとは△PERと△PRGにおいて三平方の定理を使い、PGの長さを求める。
(2)
(1)より、△PEGの三辺の長さが求まるので、角PEGをθとおいて余弦定理を作り、cosθの値を求めれば良い。
(3)
三角錐O-HEGの底面積はすでに辺の長さが分かっているのですぐに求められる。高さに関しては、ODの長さが求まれば良いが、これは△AEPと△DOPの相似比(3:1)から求めれば良い。
ODの長さが求まれば、DHの長さと足すことで三角錐O-HEGの高さとなる。
※毎年三角錐の体積を求める際に3で割ることを忘れる生徒が多発するので、簡単なことではあるが注意してもらいたい。
Ⅵ
(1)
関数の式の決定の問題。頂点の座標が与えられているので、y=a(x-p)2+qの形の公式を用いて、頂点の座標を代入する。
その後、y軸との交点の座標を代入し、aの値を求め、展開して題意の式の形に展開すると良い。
(2)
絶対値を含む関数の問題。本来はxの変域を自分で設定して場合分けを行うが、この問題ではあらかじめxの変域が設定してある。
そのため、もし絶対値の外し方を忘れてしまっていても、xの変域内で具体的な値を代入し、絶対値内が正であればそのまま、負であればマイナスをつけて絶対値を外せば良い。
xの係数の絶対値は変わりようがないので、なぜxの係数が空欄になっているのかは不明。しかも係数の絶対値は1、混乱した受験生もいるのではないだろうか。
余談であるが、こういう問題はイタズラに受験生を不安にさせるだけなのでできればやめていただきたいものだ。
(3)
積分計算の問題。二つの関数のグラフを書くと、求める面積が明らかになるので必ずグラフは書いて欲しい。それぞれの交点を明らかにしてグラフを書くと、x=3を軸として対象な図形になっていることが分かる。
よって、x=0からx=3までの範囲で面積を求め、その値を2倍してやれば良い。積分計算は面倒くさい上に計算ミスも多いので、なるべく工夫して計算して欲しい。
これも、計算スピードや正確性にかなり差がついた問題ではなかろうか。
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